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村上悠です。
経営する複数の賃貸物件では、何度も空室対策のリフォームを行ったことがあります。
また、大規模修繕の経験もあります。
その経験をベースに記事を書こうと思います。
ここでは、アパート、マンション等の賃貸経営における空室対策に特化したリフォーム・リノベーションを中心に取り上げていきます!
物件のオーナー、大家さんに、賃貸経営に有益なリフォーム・リノベーション情報を提供したいと思いますので、よろしくお願いします。
賃貸経営において空室対策リフォームは、極めて重要です。
まずは、基本的なことで、そもそものリフォームの目的について確認です。
アパート等の賃貸物件のオーナー、大家さんが行うべき、賃貸経営における空室対策リフォームと、自宅をより快適にするために行うリフォームとでは、目的が異なります。
アパート等の賃貸経営における空室対策リフォームの目的は、快適な暮らしを実現するということではなく、まずは、アパート賃貸経営の利益の最大化が目的であり、つまり空室対策、そのためにリフォームを行います。
結果的に、アパートの住人の暮らしが、より快適になるかもしれませんが、あくまでもアパートのリフォームは、賃貸経営の利益を得ることが目的です。
ここでいうアパート等の賃貸経営の利益の最大化とは、まず・・
①【不動産の所得】=【年間の賃料収入】-【各諸経費】のインカムゲインを最大化すること。
各諸経費: 借入があれば利息はここに含まれますし、アパートのリフォームの費用もここに含まれます。
そして、物件を売却する際の・・
②【売却額】-【取得価額】のキャピタルゲインを最大化することです。
まさに、この①+②の利益を最大化することを目的として、アパートをリフォームするわけです。
アパートのリフォームは、常に①+②の利益の最大化を意識しながら進めないと、まず、うまくいきません。
アパートのリフォームを行う場合、いくら費用をかければ、いくら家賃を上げることができるのか、もしくはいくら家賃の下落を抑制できるのか、その結果、家賃はいくらになるのか。
その家賃から利回りを確認し、つまり費用対効果がどうなのかを、常に意識することが極めて重要となります。
【利回り】=【アップした年間家賃収入】÷【リフォーム費用】
仮に、空室対策リフォームに20万円の費用をかけ、アパートに行い、そのリフォームにより、家賃の下落を2000円抑制できたとします。
2000円(下落抑制分の家賃)×12ヵ月/200000(リフォーム費用)=0.12
利回りは、12%ということになり、なんとか二桁の利回りを確保できたことになります。
さらに、その空室対策リフォーム20万円によって、②のアパートの売却額にどれだけ反映されるのかも考える必要があります。
アパート等の賃貸経営における空室対策リフォームは、絶対に、単なる自己満足で、憶測と推測のみで、何となく行ってはいけません。
たいした情報収集も行わず、オーナー、大家さんの勝手な思い込みで、空室対策リフォームを行っても、うまくいきません。
万一、入居者が全く望まないようなアパートにリフォームを行ってしまうと、空室対策としても全く効果はなく、当然、そのリフォームでは、入居者は決まりません。
そうなると、その空室対策リフォームにかっかた費用は、全て無駄な支出ということになります。
その空室対策リフォームは、利回りゼロという、最悪な結果になります。
必ず、空室対策リフォームによる家賃への影響、物件の売却額への影響を、常に賃貸経営における利益の最大化を意識するようにしてください。
では、アパートの空室対策リフォームを行うには、具体的にどうすればいいのか、注意点を解説します。
ズバリ!最も注意すべき点は、情報収集です。
・アパート賃貸経営における、入居率がアップするような空室対策リフォームは何か?
・アパートの家賃アップにつながるような効果的な空室対策リフォームは何か?
・アパートの家賃の下落を抑制するような効果的な空室対策リフォームは何か?
しっかりとした確実な情報を収集し、その情報に基づき、アパートの賃貸経営にプラス効果がある空室対策リフォームを行えばいいのです。
そのような確かな情報を、どのようにして収集すればいいのか??
例えば、あなたのアパート等の賃貸物件の仲介を担当する不動産会社の営業マンから、現場の情報収集したり、まさに、あなたの物件に、今入居している入居者から情報を収集したりとか。
情報収集の方法は、いろいろありますが・・今回は、ある有名なデータをご紹介します。
こちらのデータは、賃貸経営における空室対策リフォームに、かなり参考になります。
ご紹介するのは、全国賃貸住宅新聞が、毎年、定期的に発表する「入居者に人気の設備ランキング」です。
このデータは、かなり有名で、客観的なアンケート調査に基づくもので、極めて信頼性が高いです。
アパート等の賃貸経営で、効果的な空室対策リフォームを行う上で、大変、参考になります。
全国賃貸住宅新聞社が、全国の不動産会社数百社に対し、アンケートを実施したものなので、客観的なデータで信頼できます。
■「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」
■「この設備がなければ入居が決まらない」
この項目でアンケート調査を行ない、その結果を、ランキング形式で発表するものです。
そして、さらに、このデータが素晴らしいのは・・
■単身者向け
■ファミリー向け
に入居者をパターン分したものになっている点です。
自分の経営する賃貸物件が、どちらに該当するかによって、より、正確な情報を収集できます。
大家さんにとっては、「周辺相場より家賃が高くても決まる」、「この設備がなければ入居が決まらない」のどちらも、かなり刺激的なことだと思います。
まずは、こちらの「入居者に人気の設備ランキング」を確認し、基本的なことを把握しましょう。
その上で、さらに、よりあなたの物件ならではの事情に合わせて、賃貸経営に有益な情報収集を行うといいです。
毎年、全国賃貸住宅新聞が発表する「入居者に人気の設備ランキング」ですが、2017年度、2018年度版を、それぞれご紹介します。
あなたのアパート等の賃貸物件で、概要する設備があるか否かを、確認してみてください。
私が経営する築30年近いRCマンションで確認した結果ですが、「この設備がなければ入居が決まらない」にいくつも該当しているので・・・頭が痛いです。
今後、本当に必要な設備なのか、リフォームすることで、家賃アップ、家賃下げ止まりに効果あるのか、空室対策としての効果はどうなのか・・
物件の売却額アップに少しでも効果があるのかを検証した上で、リフォームの可否を決めたいと思います。
ちなみに、私は、この賃貸物件を、今後も長く所有し続け、家賃収入を得るつもりです。
賃貸物件を、長く所有し続け、インカムゲインを得るのか、それとも、近いうちに、その物件を売却し、キャピタルゲインを得るのかによっても、リフォームの内容は、大きく変わります。
近いうちに物件を売る場合は、売却額を少しでも高額にするために、家賃収入の総額を上げるために、思い切ったリフォームを行うことも検討すべきです。
一方、長期的に、物件を保有し続ける場合は、費用を最小限に抑えて、その中で、入居希望者の反応がよくなるような、ギリギリの線でリフォームを行います。
ここで、物件を売却するときのように、多額の費用をかけてリフォームを行っても、その分を、全て家賃で回収するのは難しいので、ご注意ください。
このようにアパート等の賃貸経営におけるリフォームは、かなり厄介なんです。
■2017年度の入居者に人気の設備ランキング
この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる |
単身者向け | ファミリー向け |
---|---|---|
第1位 | インターネット無料 | インターネット無料 |
第2位 | エントランスのオートロック | エントランスのオートロック |
第3位 | 宅配ボックス | 追いだき機能 |
第4位 | ホームセキュリティ | 宅配ボックス |
第5位 | ウォークインクローゼット | システムキッチン |
第6位 | 浴室換気乾燥機 | ホームセキュリティ |
第7位 | TVモニター付きインターホン | 浴室換気乾燥機 |
第8位 | 独立洗面化粧台 | ガレージ |
第9位 | 防犯カメラ | ウォークインクローゼット |
第10位 | システムキッチン | エコキュート(電気) |
出典:『入居者に人気の設備ランキング2017』全国賃貸住宅新聞
「この設備がなければ入居が決まらない」設備ランキング |
単身者向け | ファミリー向け |
---|---|---|
第1位 | 室内洗濯機置き場 | 追いだき機能 |
第2位 | TVモニター付インターホン | 独立洗面化粧台 |
第3位 | 独立洗面化粧台 | 室内洗濯機置き場 |
第4位 | 洗浄機能付便座 | TVモニター付きインターホン |
第5位 | インターネット無料 | 洗浄機能付便座 |
第6位 | エントランスのオートロック | システムキッチン |
第7位 | 備え付け照明 | ガスコンロ |
第8位 | 宅配ボックス | エントランスのオートロック |
第9位 | ガスコンロ | ウォークインクローゼット |
第10位 | 浴室換気乾燥機 | エレベーター |
出典:『入居者に人気の設備ランキング2017』全国賃貸住宅新聞
■2018年度の入居者に人気の設備ランキング
この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる |
単身者向け | ファミリー向け |
---|---|---|
第1位 | インターネット無料 | インターネット無料 |
第2位 | 宅配ボックス | 追いだき機能 |
第3位 | エントランスのオートロック | エントランスのオートロック |
第4位 | 備え付け家具・家電 | 宅配ボックス |
第5位 | 浴室換気乾燥機 | システムキッチン |
第6位 | ホームセキュリティ | ホームセキュリティ |
第7位 | 独立洗面化粧台 | ガレージ |
第8位 | 防犯カメラ | ウォークインクローゼット |
第9位 | ウォークインクローゼット | 浴室換気乾燥機 |
第10位 | システムキッチン | 太陽光パネル(入居者個別売電) |
出典:『入居者に人気の設備ランキング2018』全国賃貸住宅新聞
この設備がなければ入居が決まらない |
単身者向け | ファミリー向け |
---|---|---|
第1位 | 室内洗濯機置き場 | 室内洗濯機置き場 |
第2位 | TVモニター付きインターホン | 独立洗面化粧台 |
第3位 | 独立洗面化粧台 | 追いだき機能 |
第4位 | 洗浄機能付き便座 | TVモニター付きインターホン |
第5位 | インターネット無料 | 洗浄機能付き便座 |
第6位 | エントランスオートロック | システムキッチン |
第7位 | 備え付け照明 | エントランスのオートロック |
第8位 | 宅配ボックス | インターネット無料 |
第9位 | ガスコンロ | ガスコンロ |
第10位 | システムキッチン | エレベーター |
出典:『入居者に人気の設備ランキング2018』全国賃貸住宅新聞
「この設備がなければ入居が決まらない」は、要するに、絶対必要な設備のことです。
室内洗濯機置き場、独立洗面化粧台、洗浄機能付便座、TVモニター付きインターホンなどが、上位にランキング。
これら設備が、全てないとなると・・結構、賃貸経営の空室対策という点では厳しいです。
このランキングを参考に、この際、アパート等の空室対策リフォームを考えられてはどうでしょうか。
今の賃貸住宅の入居者様は、より豊かな住生活環境を求めています。
賃貸経営をされるオーナー様は、これらのランキングを参考にアパートの部屋づくり、空室対策リフォームを考えてみてはいかがでしょうか。
後ほど、この資料にあった人気の設備を、アパート等に導入する空室対策リフォームについて、取り上げたいと思います。
リフォームにかかる費用の相場等について、大家さん、オーナーさんは、アパート等の賃貸経営上、どのように効果的な空室対策リフォームを進めるべきなのかについて、詳細に解説していきたいと思います。
アパート等の賃貸経営の空室対策リフォームの目的は、既にお話しました通り、賃貸経営の利益を最大化することです。
そのため、できる限りリ費用を安く抑え、かつ、空室対策として効果があり、入居を促すような空室対策リフォームである必要があります。
費用は安く、見込客に入居を促すような強烈なインパクトある空室対策リフォームとは??
一見何も変わっていない、材料をただ新しいものに交換する普通のリフォームでは入居者付けに苦戦します。
費用をかけリフォームしたわりに、入居が決まりにくいという結果になることもあるので、注意が必要です。
見た目の印象を大きく変えるような空室対策リフォームが、アパート等の賃貸経営には最適です。
いわゆるリノベーションのような、床・壁・天井・その他すべてのデザインを変更し、見た目の印象が大幅に変わるような空室対策リフォームが望ましいです。
費用をかけて、床や壁の素材にこだわるリフォームより、見た目のオシャレ、センスアップ、最大限見栄えを良くするリフォームの方を重視すべきです。
ここは、あくまでもアパートへの入居を促すような、見た目斬新な空室対策リフォームがいいわけです。
一方で、リフォームの費用はできる限り安く抑える必要がありますので、アパート等の賃貸経営の空室対策リフォームは本当に難しいです。
賃貸物件に高額な費用をかけて、本格的なフルリノベーションをしても、アパート等の家賃収入で、投資回収することは、まず無理です。
いくら素晴らしいリフォームを行ったとしても、アパートの家賃の金額アップには限界があり、ここで相場を無視し、極端に高額な家賃に変更した場合、今度は、空室問題が生じます。
いや・・アパート等の賃貸経営における空室対策リフォーム、本当に難しいです。
アパート等の賃貸経営における空室対策として、効果がありそうなリフォーム、プチリフォームを、ここでご紹介します。
■ 壁紙(クロス)のリフォーム:特にアクセントクロスは、費用も安く、部屋の雰囲気を一気にセンスアップできます。
■ プチリフォーム:工事期間も短く、予算も抑えながら、簡単・気軽にできるリフォームです。
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著者情報:
村上悠
レリッシュプラン株式会社:代表
経営するRCマンション、平屋ガレージハウス等、複数の賃貸物件について、空室対策として何度もリフォームを行ったことがあります。
リフォームは、室内のクロス、床、天井といった小規模なものから、屋根や外壁をリフォームする大規模修繕の経験もあります。
また、自宅を三井ホームで建て、さらに賃貸物件の平屋ガレージハウスを建てる等、新築の家づくり経験もあります。
そういったリフォームや家づくり経験で得た気付き、知識等を、記事にしていきたいと思います。
リフォームや家づくり等に役立つであろうと、資格も取得しました。
賃貸業など不動産ビジネスに役立つであろうと、宅地建物取引士に2008年に合格。
また、家づくり、リフォームに色彩は重要ということで、2級カラーコーディネーター(商工会議所)の資格を2019年に取得。
さらに、以前サラリーマン時代に、国内旅行業務取扱管理者の資格も2016年に取得。