村上悠です。
経営する賃貸物件で空室時のリフォーム、大規模修繕を行ったことがあります。
その経験をベースに記事を書こうと思います。
今回は、和室のリフォーム、畳の張替えについての費用について解説します。
さらに、畳の張替えの3つの方法、さらにタイミングと注意点についてもお話します。
畳の張替えをお考えの方には、ぜひ、お読み頂ければと思います。
畳を何年も使い続けていると、どうしても畳は劣化してきます。
畳の表面が日焼けし、変色してしまったとか、畳の表面のシミが落ちなくなったとか、畳の踏み心地が悪くなってしまったとか、劣化の状態は様々です。
劣化した畳は、状態がひどくなる前に、張替えが必要で、多くの方は、この畳の張り替えを、丸ごと新品と交換、新調するイメージがあるようです。
しかし、畳の張替えにはいくつか方法があり、劣化した畳の状態に応じて、どの方法にするかを決める必要があります。
本記事では、畳の張替えにどんな方法があり、費用がいくらかかり、どんな点に注意すべきかを、詳細に解説していきます。
本記事は、畳の張替えをお考えの方に、おおいに参考になる内容です。
ぜひ、ご自宅の畳の張替えを成功させるためにも、本記事を、最後までお読み頂ければと思います。
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まず最初に、畳の構造ついて解説します。
この後、解説する畳の張替えに関連することなので、しっかり理解するようお願いします。
畳の構造として理解しておくべきことは3つあります。
以下の画像の通り、畳は、畳表(たたみおもて)、畳縁(たたみべり)、畳床(たたみどこ)の3つから構成されます。
それでは、それぞれについて簡単に説明していきます。
畳表(たたみおもて)は、イ草で織られた畳の表面のことです。
畳の中では、一番劣化しやすい場所で、日光で変色し、色あせたり、摩擦で表面が擦り切れたり、ささくれたりします。
例えば、掃除機で掃除する際に、強い吸引力のあるヘッドで表面を傷めてしまったり、ファンヒーター等で、熱風を直接畳にあて続けたりすると、畳表は劣化してきます。
このように畳表が劣化してくると、本来、畳には、適湿に保ってくれる湿度を調節する機能を持っているのですが、劣化によりその機能も損なわれてしまいます。
畳縁(たたみべり)とは、畳の端に付けられている布のことで、畳表の角を補強し、畳の間にできる隙間をギュッとしめる役割があります。
さらに、畳表を畳床に固定する役割もあります。
この畳縁には、シンプルなものから色柄の入った派手なものまで、種類はいろいろあります。
畳床(たたみどこ)は、畳の芯となる部分のことで、基本は稲わらを重ねて麻糸で締めたものです。
その他、稲わらと発泡プラスチックであるポリスチレンフォームの畳床や、ポリスチレンフォームと木材を圧縮したインシュレ―ションボードからなる畳床もあります。
最近は、こういったポリスチレンフォームを主材料とする畳床が増えてきています。
この畳床は、畳の弾力性、湿気を吸い取ってくれる吸湿性、耐久性に優れています。
次に、畳の張替えの3つの方法と、各方法の実施すべきタイミング、さらには注意点について解説します。
とても重要なところなので、しっかり理解するようお願いします。
畳の張替えには、裏返し、表替え、新調の3つの方法があります。
それぞれの方法について、作業内容、行うべきタイミング、注意すべき点について解説します。
裏返しとは、畳表を裏返して張り直す方法で、裏返してもう一面を利用する方法です。
ここでご注意頂きたいのですが、裏返しを、畳全体を裏返すと勘違いされている方が多いです。
あくまでも、裏返すのは、畳表の部分だけなので、ご注意ください。
畳表は両面を使うことができるため、一度だけ、現在使用している畳表を一旦取り外し、裏返してまだ綺麗な面を再び利用します。
裏返しひっくり返すことで、畳の表面を新品に近い状態に戻すことができるというわけです。
裏返しでは、畳縁は劣化していたら新品に交換しますが、畳表、畳床は、そのまま使い続けます。
新しい畳を使い始めて2年~3年が経ち、畳表の変色、色あせ、擦れ、傷みを感じたら、裏返しを行うべきタイミングです。
当然ですが、畳の裏返しを一度も行っていないことが条件です。
(畳の使用状況に応じて、タイミングは違ってきますので、あくまでも目安とお考えください。)
先程もお話した通り、裏返しは、1枚の畳につき1度だけしかできないので、ご注意ください。
また、裏返しができないケースもあるので、注意が必要です。
新しい畳を使い始め、3年以内であれば、ほとんどのケースで、裏返しが可能です。
しかし、畳の使用状況が極端に悪いとか、使用年数が3年を超えている場合には、そもそも裏返しができない場合があります。
例えば、畳表の奥まで変色していたり、摩擦による損傷が、かなりひどい場合には、裏返しではなく、これからお話する他の方法で対応することになります。
畳の表替えとは、既存の畳床をそのまま使い、畳表と畳縁のみを新しいものと交換する方法です。
畳の土台である畳床が傷んでいなければ、この表替えは何度も可能で、畳を長持ちさせることができます。
新しい畳を使い始めて5年~10年経過(あくまでも目安ですが)したような畳であったり、畳表の裏面も劣化していて、裏返しができない場合には表替えを行う必要があります。
また、裏返しから3年~5年経過(あくまでも目安ですが)している場合も、表替えを検討すべきです。
表替えは、畳表と畳縁を新品のものと交換するため、新品同様に見えます。
しかし、畳の土台である畳床は交換せず、既存のままなので、見た目には新品でも、踏み心地は改善せず、ほとんど変わりません。
畳がへたって、畳の上を歩くと表面がへこむような場合は、畳の表替えでは、劣化は解消されないのでご注意ください。
畳の新調とは、文字通り畳を新しい物に交換することで、畳の芯となる畳床、畳表、畳縁、畳全体を新しくする方法です。
畳を全て新しいものと交換するため、見た目にも新しく、踏み心地、クッション性も素敵な畳になります。
さらに、思わず深呼吸したくなる程、イグサの香りもして、リラックス効果も期待できます。
新しい畳を使い始めてから10年~20年程(あくまでも目安ですが)経過している畳は、畳表だけでなく、畳床も劣化し、かなり傷んでいるはずなので、新調で対応すべきです。
畳の劣化の程度によっては、10年経っていなくても、新調を検討した方がいい場合もあります。
例えば、これまでに、裏返しや表替えを行ったが、畳の劣化がひどい場合にも、新調を検討すべきです。
また、畳の上を踏むとギシギシ音がしたり、表面が凹むような畳は、畳床もへたっているので、新調が必要になってきます。
先程もお話しましたが、新調するタイミング(10年~20年)は、あくまでも目安です。
10年経っていない、比較的まだ新しい畳であっても、劣化の状態によっては、新調が必要になるので、ご注意ください。
畳を新調した場合は、部屋の換気等をしっかり行い大事に扱えば、畳床を傷めることなく30年以上使い続けることが可能です。
それでは本題です。
畳の張替え(裏返し、表替え、新調)の費用について解説します。
それでは、畳の張替えにかかる費用について解説します。
畳の張替え費用は、3つの方法によって金額は異なり、まとめると以下の通りです。
畳の張替え | 1畳当たりの費用(あくめでも目安) |
---|---|
裏返し | 3,000円~5,000円 |
表替え | 4,000円~15,000円 |
新 調 | 7,500円~22,000円 |
裏返しですが、例えば6畳の和室の畳の場合は、18,000円~30,000円の費用がかかるということです。
畳替えの3つの方法の中では一番費用を安く済ませることが可能です。
表替えは、例えば8畳の和室の畳の場合、32,000円~120,000円の費用がかかるということです。
既存の畳床をその使う分、新調よりも費用は安く済ませることができます。
新調は、畳表、畳縁、畳床、全てを新しくしますので、当然ですが、費用は、3つの方法の中で一番高くなります。
例えば、6畳の和室では、45,000円~132,000円の費用がかかります。
なお、新調の場合は、既存の畳の処分、廃棄費用がかかってきますので、施工業者に依頼する際は、この点も確認するようご注意ください。
よく質問を受けるのですが、畳の張替えは自分でもできるか、DIYについて解説します。
畳の張替えで、一番多く質問を受けるのが、畳の張替えを自分で行いたいが、可能か否かについてです。
費用を少しでも安く抑えるために、畳の張替えを自分で行いたいということですが、これは本当におすすめしません。
畳の張替えは、とても難しく、まず素人のDIYでは無理です。
正確な採寸とそのサイズに合った畳でなければ、表に隙間ができてしまい失敗します。
素人のDIYでは、失敗するか、綺麗で納得のいく仕上がりには、まずならいはずです。
畳の裏返しや表替えを自分でトライし、失敗してしまった場合、まだ使えるはずの畳が使えなくなってしまいます。
既存の畳の処分、廃棄費用もかかりますし、さらに、新調のための高額な費用もかかってきます。
本来、新調より安く済ませることができたはずなのに、DIYで失敗すると、このようにかなり余計な費用がかかってきます。
確実に畳の張替えをしたいなら、自分では行わず、プロの施工業者に依頼をすべきです。
どうしても自分で畳の張替えを行いたい方もいらっしゃるかと思います。
そんなあなたに、おすすめなのが「置き畳」です。
「置き畳」は、ホームセンター等で売られていますが、設置するのに特別な道具、工事は全く不要です。
これであれば、素人のDIYでも対応できるはずです。
ただ、「置き畳」は、通常の畳と比較すると、例えば、上を歩くと畳がずれる心配があったり、少し物足りなさを感じるかもしれません。
気になる方は、一度、ホームセンター等で、置き畳をご覧になられるといいと思います。
以上、畳の張替えについて、いろいろお話しました。
最後にまとめです。
畳の張替えには、「裏返し」、「表替え」、「新調」の3つがありました。
本記事では、各方法について、作業内容、タイミング、注意点、さらには費用についても解説しました。
ここで、各方法を比較できるよう、まとめたいと思います。
畳の張替え | 作業内容 | タイミング | 費用 |
---|---|---|---|
裏返し | 畳表を裏返して張り直す | 使用開始2~3年経過 | 3,000円~5,000円 |
表替え | 畳表と畳縁のみを新しいものと交換する |
使用開始5~10年経過 |
4,000円~15,000円 |
新 調 | 畳床、畳表、畳縁、畳全体を新しくする |
使用開始10~20年経過 |
7,500円~22,000円 |
ぜひ、これを参考に、あなたのご自宅の畳の張替えを成功させてください。
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著者情報:
村上悠
レリッシュプラン株式会社:代表
経営するRCマンション、平屋ガレージハウス等、複数の賃貸物件について、空室対策として何度もリフォームを行ったことがあります。
リフォームは、室内のクロス、床、天井といった小規模なものから、屋根や外壁をリフォームする大規模修繕の経験もあります。
また、自宅を三井ホームで建て、さらに賃貸物件の平屋ガレージハウスを建てる等、新築の家づくり経験もあります。
そういったリフォームや家づくり経験で得た気付き、知識等を、記事にしていきたいと思います。
リフォームや家づくり等に役立つであろうと、資格も取得しました。
賃貸業など不動産ビジネスに役立つであろうと、宅地建物取引士に2008年に合格。
また、家づくり、リフォームに色彩は重要ということで、2級カラーコーディネーター(商工会議所)の資格を2019年に取得。
さらに、以前サラリーマン時代に、国内旅行業務取扱管理者の資格も2016年に取得。