擁壁のやり直しをすべきか?その判断ポイントと費用は?

擁壁のやり直しをすべきか?その判断ポイントと費用は?

 

擁壁のやり直しをすべきか?その判断ポイントと費用は?

2020/12/19  更新:

 

 

 

 

村上悠です。
経営する賃貸物件について、空室時の各部屋のリフォーム、さらに大規模修繕を行ったことがあります。
このようなリフォームを何度も行ったことがあり、その経験をベースに記事を書こうと思います。

 

今回は、擁壁のやり直しと補修について取り上げます。

 

擁壁の状態に応じて、どちらで対応すべきか決めるわけですが、その判断ポイントと費用について解説します。

 

ぜひ、お読み頂ければと思います。


 

 

擁壁の安全性が確認できない場合、最悪のケースでやり直しが、そこまでやる必要がないケースでも、補修・補強は必要になります。

 

安全性に問題がある擁壁を、そのまま放置するということは、まずあり得ません。

 

万一、擁壁が崩壊すれば、周辺の建物が倒壊したり傾いたり、最悪は、人命が損なわれるリスクもあり得ます。

 

また、危険性のある古い擁壁のある土地に、家を建てることもできません。

 

建物や地盤が建築基準法に適合しているか否かを確認する「建築確認」があると思いますが、擁壁に問題があると、その建築確認が取得できないケースが多々あります。

 

その擁壁のある土地に家を建てることが不可能なわけです。

 

いずれにしても古い擁壁に安全性の問題がある場合には、速やかに、何らかの対応が必要になります。

 

ただ・・

 

やり直しとなると、古い擁壁を解体し、撤去し、新しい擁壁を造ることにり、作業も大変ですし、費用もかなり高額になります。

 

できれば、擁壁のやり直しは回避したいものです。

 

 

本記事では、擁壁のやり直しが必要になる否かの判断ポイント、さらには、いくら費用がかかるのかを解説します。

 

擁壁がどのような状態であれば、やり直しや補修・補強が必要になるのか、具体的な事例もご紹介し、詳細を解説したいと思います。

 

擁壁のある土地にお住いの方、そういった土地の売買をお考えの方には、本記事は参考になると思います。

 

ぜひ、最後までお読み頂ければと思います。

 

 

擁壁のやり直しで対応すべきか否かの判断ポイントとは?

 

 

 

 

 

それでは、擁壁のやり直しをすべき場合について解説します。

 

擁壁のやり直しをすべきか否かの判断ポイントの参考になると思います。


 

 

古い擁壁をやり直すか否かの判断は、大きく3つの確認によって、判断します。

 

古い擁壁の確認すべきポイントについては、次の記事でも解説しています。

 

まだお読みになられていないのであれば、こちらの記事も、あわせてお読みください。

 

関連記事:

 

擁壁のある土地は、その擁壁の安全性を常に確認しておく必要があります。その安全性をどのようにチェックするのか、詳細に解説しております。→「擁壁のある土地は要注意!後悔しないための2つのチェックポイントとは?

 

 

まず、擁壁の種類を確認

まず最初に、擁壁の種類をチェックし、明らかに不適格擁壁か否かを確認します。

 

ここで不適格擁壁とわかれば、即、専門業者に相談をし、やり直しに向けて協議を進めます。

 

 

こちらは、大谷石の擁壁です。

 

大谷石の擁壁は、風化や劣化が激しく、現在の建築基準法に適合していない不適格擁壁です。

 

他にも石やコンクリートブロックを積み上げただけの簡素な擁壁も、現在の建築基準を満たしていない不適格擁壁です。

 

また、既存の古い擁壁の上に、上部に新しい擁壁を積み増した、増し積み擁壁も不適格擁壁です。

 

既存の擁壁は、当初の設計時に想定された土圧を基に、設計され造られたものです。

 

その既存の古い擁壁の上に、新しい擁壁を積み増しすると、当初の設計時に想定されていない土圧が加わるため、崩壊のリスクがあります。

 

こういった不適格擁壁は、古い不適格擁壁を解体、撤去し、新しくやり直しで擁壁をつくるケースがほとんどです。

 

不適格擁壁は、崩壊する危険性があるため、すぐに専門業者に相談し、対応を協議すべきです。

 

ここで、的確擁壁と確認された場合は、次のステップで、擁壁の外観の状態を確認します。

 

 

擁壁の外観の状態を確認

 

こちらは、鉄筋コンクリート造擁壁で、建築基準法に適合はしていますが、劣化により、大きなひび割れ、亀裂が生じている場合です。

 

この事例では、擁壁がふくれていたり、変形はしていませんが、小さなクラックと違い、ひび割れが深く大きいので、注意が必要です。

 

ひび割れにより、擁壁の強度が低下し、倒壊する危険性があるので、補修・補強、やり直しといった何らかの対応が必要です。

 

 

こちらの事例も、鉄筋コンクリート造擁壁で建築基準法に適合はしていますが、擁壁の水抜き穴から茶色の水が出ているケースです。

 

これは、擁壁内部から鉄筋の錆び汁がでていると思われます。

 

擁壁内部の鉄筋が錆びている可能性があり、擁壁の強度が低下する原因になるので注意が必要です。

 

このケースも、補修・補強、やり直しといった何らかの対応が必要です。

 

こういった外観に擁壁の劣化の兆候が確認された場合は、専門業者に相談をし、対応を協議する必要があります。

 

劣化がひどく、補修・補強では対応できない場合は、この場合もやり直しになります。

 

外観の確認も、特に問題ない場合は、3つ目の確認で、法的な手続きで問題ないかの確認です。

 

 

法的に問題ないかを確認

3つ目の確認は、法律で必要とされる手続を行い擁壁が造られているかの確認です。

 

図面や土地・建物を購入した際の資料等をチェックし、建築基準法に基づく確認申請がなされ、検査済証の交付を受けているかを確認します。

 

各行政の建築指導担当課等に問合せ、確認する必要があります。

 

建築基準法の工作物の確認申請ではなく、都市計画法による開発許可、宅地造成等規制による許可に基づく擁壁の場合は、各行政の開発指導担当課で確認できます。

 

ここで問題ありとなった場合は、やはり専門業者に相相談し、対応を協議します。

 

検査済証もあり、法的な手続でも問題ない擁壁は、そのままでも問題ありません。

 

 

いずれのケースでも、必ずプロの専門業者に相談し、必要に応じて詳しく調査してもらう必要があります。

 

素人には、その擁壁の危険性の有無は、まずわかりません。

 

ご自身で判断するのではなく、まずは専門業者に相談し、詳しい調査をしてもらい、現在の擁壁の状態を正確に把握しておくべきです。

 

擁壁の調査は、目視点検、擁壁を叩いて反響する音で腐食の有無を判断する打音点検、さらには、超音波・電磁波のレーダーを使用する背面空洞調査、専用の機械で沈下板の高さや不動杭・変位杭を測定する動態観測もあります。

 

こういった調査を専門業者依頼すれば、当然、費用(業者によって金額は異なりますが、約10万円程度)はかかりますが、ぜひ行うべきです。

 

古い擁壁が崩壊する等、何か事故が起きてからでは遅いです。

 

ぜひ、早め早めに対応していきましょう。

擁壁のやり直しにかかる費用は?

 

 

 

 

 

次に、擁壁のやり直しにかかる費用について解説します。

 

実際に擁壁工事をされる際の参考になさってください。


 

 

それでは、擁壁をやり直す場合の費用について解説していきます。

 

擁壁のやり直しは、まず既存の古い擁壁を解体し、撤去する必要があり、そのための費用がかかります。

 

この解体、撤去にかかる費用ですが、既存の古い擁壁がどんなものなのかとか、どんな場所に立地しているのかによって、金額は大きく変わってきます。

 

例えば、鉄筋コンクリートの擁壁で、強度の高い丈夫な擁壁であり、規模も大きなものであれば、その分、解体工事にも時間と労力がかかりますよね。

 

当然、費用も高くなります。

 

また、車が入ってこれないような狭い道路の先の土地にある擁壁であれば、解体作業も、大変です。

 

車が横付けできるような状況であれば、解体した擁壁の運搬もスムーズに進めることができますが、車が入って来れないとなると、人力で対応する必要があります。

 

その分、人件費も高くなり、当然、トータルの解体、撤去の費用も高くなります。

 

これは、あくまでも参考ですが、20㎡規模のL型擁壁の解体、撤去にかかる費用です。

 

足場、重機使用、運搬等の全て込みで、約35万円程度の費用がかかります。

 

さらに、新しく擁壁を造る費用が、1㎡当たりの単価、3万円~13万円程度(費用は複数の条件によって決まるため、一概には断定できません。あくまでも参考です。)はかかります。

 

擁壁を造る際の費用については、次の記事で詳細を解説していますので、参考になさってください。

 

 

関連記事:

 

擁壁とはどういうもので、設置するには1m当たりどれくらいの費用がかかり、どのような作業工程で、耐用年数はどれくらいあるのか、擁壁について徹底解説しています。→「擁壁工事の費用、価格の金額の目安は?

 

いずれにしても、既存の擁壁を解体、撤去し、新しく擁壁をつくり直すには、かなりの費用がかかります。

擁壁の補修・補強にかかる費用は?

 

 

 

 

 

古い擁壁の補修・補強にかかる費用についても解説します。

 

やり直しではなく、補修・補強で対応するケースも多々ありますので、ぜひ参考になると思います。


 

 

既存の古い擁壁の状態によっては、解体・撤去、やり直しではなく、補修・補強工事で対応できる場合もあります。

 

その場合の費用ですが、ここも補修・補強状況に応じて金額は異なるので、あくまでも参考とお考え下さい。

 

擁壁の補修・補強工事にかかる費用は、1㎡当たり、1万円~2万円です。

 

例えば、ひび割れの補修のように、既存擁壁の補修・補強は、既存の擁壁を利用し行う工事であるため、費用は安く済みます。

 

先程解説した擁壁のやり直しに比べると、補修・補強にかかる費用は、かなり安く抑えることが可能です。

 

 

 

 

次の記事で、擁壁のある土地に家を建てる場合の注意点を解説しています。

 

ぜひ、お読み頂ければと思います。

 

関連記事:

 

擁壁のある土地に家を建てる際の注意点を、建てる家が、擁壁の上下どちらにあるのかによって、どのようなデメリットがるのかを、場合にわけて解説しています。→「擁壁の下でも家を建てることが可能!その4つのケースとは?

まとめ

 

 

 

 

 


以上、擁壁のやり直しについて解説しました。
参考になりましたでしょうか。
最後に、まとめと注意点をお話します。







古い擁壁のやり直しで特に注意すべき2点




擁壁のやり直しについて詳細に解説してきましたが、ここで特にご注意いただきたい2点についてお話しておきます。

1つ目の注意ポイントです。

擁壁は、専門業者に相談をすることが重要ということです。
 
擁壁の安全性のチェックポイントを、わかりやすくまとめた冊子もありますが、ここは、自分で判断せず、専門業者に相談すべきです。

万一、擁壁が崩壊すれば、建築物が倒壊したり、最悪のケースでは人命が損なわれるリスクもあります。

擁壁を軽視しては、絶対にダメです。

何かあってからでは遅いので、早めに専門業者に相談しましょう。

2つ目の注意ポイントです。

擁壁は早め早めに対応するのがお得だという点です。 

擁壁に劣化が確認された場合、その状態が軽微であれば、補修・補強で済みます。

先程、解説した通り補修・補強の費用は安いですが、やり直しとなれば、莫大なコストがかかります。

擁壁は、放置しては絶対にダメです。

早め早めの対応が、結果的には、費用を安く抑えることができるのでお得です。

擁壁が崩壊すれば、家が倒壊したり、傾いたり、最悪の場合、人命が損なわれる等、大変な事故になります。

何か重大な事故が起こってからでは遅いです。

まずは、現在の擁壁がどういう状態なのか、安全性に問題はないのか、プロの専門業者に相談しましょう。

既存の古い擁壁の安全性を確認し、必要であれば、擁壁の修繕・補強、やり直しを検討すべきです。




具体的な進め方



問題のある擁壁は、素人判断で放置しては、絶対にダメです。

まずは、プロの専門業者に相談し、必要であれば、速やかに何らかの対策を、速やかに実施することが重要です。

その点は、よくおわかり頂けたと思います。

しかし、実際、この後、どうやってプロの専門業者を探せばいいのか、よくわからないのではないでしょうか?

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今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

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著者情報:
村上悠
レリッシュプラン株式会社:代表

 

経営するRCマンション、平屋ガレージハウス等、複数の賃貸物件について、空室対策として何度もリフォームを行ったことがあります。
リフォームは、室内のクロス、床、天井といった小規模なものから、屋根や外壁をリフォームする大規模修繕の経験もあります。
また、自宅を三井ホームで建て、さらに賃貸物件の平屋ガレージハウスを建てる等、新築の家づくり経験もあります。
そういったリフォームや家づくり経験で得た気付き、知識等を、記事にしていきたいと思います。

 

リフォームや家づくり等に役立つであろうと、資格も取得しました。
賃貸業など不動産ビジネスに役立つであろうと、宅地建物取引士に2008年に合格。
また、家づくり、リフォームに色彩は重要ということで、2級カラーコーディネーター(商工会議所)の資格を2019年に取得。
さらに、以前サラリーマン時代に、国内旅行業務取扱管理者の資格も2016年に取得。

 

著者のプロフィール情報

 

 

記事更新:
■擁壁工事の費用を、現状に合わせて金額修正し、さらに、よりわかりやすくするために、修正を大幅に加えました。(2023/8/12)